ネズミを罠で捕まえるときも、殺鼠剤を使うときも、必要になることは「ネズミの好物を知る」ということが重要です。籠罠には好物を入れますし、食べ物に殺鼠剤を混ぜて置くこともあるからです。
ネズミは雑食で、基本的に人間の食べるものなら何でも食べますし、石鹸のような人間の食べないものも食べます。
チーズは食べますが、とくに好みというわけでもないようです。
何でも食べるとはいえ、好みがあるのでより飛びつきが良いものを探していく方が近道です。
イエネズミは3種類、天井の運動会を開催することで知られている「クマネズミ」、名前の通り水のあるジメジメしたドブのような場所がお好きな「ドブネズミ」、二十日で子孫を増やす子だくさんな「ハツカネズミ」がいます。
ネズミの種類が違えば、食べ物の好みも当然違います。
ではそれぞれのネズミの食の好みについて詳しく解説していきたいと思います。
イエネズミの好きなエサ
クマネズミ
クマネズミは雑食性で、種実類(穀物や果実、またはその加工品)が食物の過半量を占めます。
従って、米やパンなども好物なので捕まえるときにパンの耳を使う人が多いようです。
動物の肉や魚介類はあまり好まないけれど、ゴキブリなど昆虫類は大好きらしく、家にネズミがいるとゴキブリがいなくなるという声も聞きます。
水分補給のため、花や柔らかい茎や葉なども摂取します。
飾っておいた切り花や園芸の花を齧られることもあり、花屋さんの間ではピンクのカーネーション好きということで知られているのだとか。
ドブネズミ
ドブネズミもまた雑食性ではありますが、クマネズミと比較すると、魚介類や肉など動物質のものを好んで食べます。
したがって魚を扱う築地移転のときに話題になったのもドブネズミです。
水辺を好むのは、高蛋白質の餌を好むため、その代謝終産物である窒素を尿として排出するために、水分を多く摂取しなければならないからです。
また、死んだ動物質のみでなく、他の小動物を捕食する習性もあり、「窮鼠猫を噛む」と言う通り、猫に襲い掛かるドブネズミもいるくらい獰猛な性格を持ちます。
ちなみに寒さに強いので零下30度の冷凍庫の中にいたという強者も。
ハツカネズミ
ハツカネズミの好物は、植物などの草や種子・チーズやソーセージなどの加工食品です。
ハツカネズミは他のイエネズミと違って、身体が小さいため、少しの食べ物で足りてしまうので油断は禁物です。
食べ物は必ず齧られないようなと容器に入れ、キッチンや床にも食べ物のくずを落としっぱなしにしなうよう気を付けましょう。
同じ種類のネズミでも個体によって好きなエサが違う
何でも食べるはずのネズミとはいえ、個体差もあるようで、同じクマネズミでもかぼちゃの種が好きな個体、パンが好きな個体、ソーセージが好きな個体、という風に好みがあるようです。
食べなれたものの方が警戒しない傾向があるので、罠や殺鼠剤を使うときは、食害にあったものを使う方が成功しやすいようです。
何が好きかを知るためには、とりあえずいろんなものをトレイにのせ、何が減っているかを観察してみると良いでしょう。
好物を何回かあげて警戒心を溶いたあとに、殺鼠剤を振りかけるという手順が成功の秘訣です。
ネズミがエサを食べないでいられる時間
ネズミは大食漢です。なぜなら蓄える機能を持たないうえに始終ちょこまかと動いているからです。エネルギーの貯蓄ができないので、一日中餌を探して食べ続けなければならない動物なのです。
何も食べない状態下に置くと、夏なら3日、冬なら1日で体温が保てずに凍死してしまうということです。
ネズミにエサを食べさせるコツ
ネズミは目があまりよくなく、反対に嗅覚がとても優れています。したがって、餌を仕掛けるときには必ず手袋や箸などを利用して、人間のニオイを付けないように気を付けましょう。
罠や殺鼠剤を設置するときも、長居しないように、短時間でさっさと終わらせるようにすると良い結果を生むようです。
餌の大きさもまた重要なポイントです。
ネズミは身体が小さいので、食べる餌はほんの小さなものの方が良いです。餌は0.5~1㎝の小さい量で大丈夫です。
たくさん置いておくと、毒餌を食べる前にお腹がいっぱいになってしまうので。
どうしてもネズミがエサを食べないときは・・・
どうしてもネズミがエサを食べない、もしくは餌付けだけしてちっとも駆除できてないというときは、プロのネズミ駆除業者さんに聞いてみると良いでしょう。
やはりプロのノウハウは確かですから。