ネズミが家なり仕事場なりで出たとします。
運よく罠で捕らえることができました。
あーやれやれ、やっと捕まったか!これでゆっくり寝られる。
そこで、ここでとある不安が頭をよぎります・・・
でもちょっと待てよ。
「この一匹だけなのだろうか?」
答えはおそらく「NO」。
ネズミは基本的にグループを作って行動しているからです。
ネズミのグループは一匹の身体の大きなオスと、複数のメス、そしてその子供達で構成されるということです。まるでハーレムな感じですね。
ネズミの恐るべき繁殖力
ハツカネズミは小さいので「荷物の中に紛れ込んできた」という話もあります。家に来た1匹がたまたま妊娠したメスだとしたらアウトです。
クマネズミは1回の出産で10匹前後の子ネズミを出産します。そして驚くことに出産してから5日以内に次の妊娠が可能なのだそうです。
妊娠期間は21日なので、ほぼ1ヶ月サイクルで妊娠と出産を繰り返せる、びっくりな繁殖力です。
例えば1日に妊娠したら22日に出産、27日に次の妊娠ということになります。
しかも、きょうだいや親子でも交尾しますので、まさにネズミ算式に数を増やすということになります。
ただ、縄張りや餌の量の問題がありますので、単純にネズミ算式ということにはなりません。
ともあれ、その1匹の身体の大きなボスネズミを中心にグループが出来上がっているようです。
仲間を助けるネズミ
クマネズミの観察で興味深い観察例があります。
山﨑 收一著「捕獲具開発と驚くべきネズミの習性」によると、あるとき罠が乱れていて、血痕がついていたことがあったそうです。
それをよくよく調べると、外からしか付けられない場所に血痕があり、外側からしか壊せない場所の部分が壊されている形跡があったのです。
推理すると中のネズミを助けようと、仲間のネズミが苦労したことがわかりました。
外側のネズミは自分が負傷しながらも助けようとしたらしいのです。
そして、口から血を流してまで、中の個体を助けようとしていた個体がこの捕獲具の外にいた事になる。外側に血が付いていた左上、中上の捕獲具は両方とも上の段にある。口元を怪我した個体が登って捕獲具にしがみつき、脱出の手助けをしていたことが分かり、驚くほかない。
見事にすべての個体が揃って脱出した状況をどう解釈すれば良いのであろうか。それぞれの個体が単独で行動しているのならこのようなことは起きない。捕まった個体のうちの1匹が運よく脱出できたとしても、一刻も早くこの危険な場所を離れようとするはずである。口元から血を流してまでその場に居続け、仲間を助けようとしたのだ。
山﨑 收一著「捕獲具開発と驚くべきネズミの習性」
その件だけでなく、他にも書かれています。
別の時に起こった例では、粘着シート罠に大きなネズミがかかっていたことがありました。
見ると足やしっぽが食いちぎられている形跡があったそうです。
これも仲間を助けようと、別の個体が引っ張ろうと苦労したものではないかと山﨑氏は見ています。
ネズミは共食いをする動物なので、確信はありませんが、状況が状況だけに助けようと試みたようには思えます。
一事例として書かれているにすぎませんが、こんなこともあるのかと感心する面白い内容でした。
チームで協力するネズミ
クマネズミはあたまの良いネズミなので、チームで協力することがあるのかもしれません。
私が以前見た何かの動画で、巨大なクッキーを運ぶのに2匹のネズミが協力していたのがあります。
段差のある場所を見事乗り上げて運んでいました。
協力して餌を確保する。美しいです。
うちは野鳥の餌としてリンゴを枝にぶら下げていたのですが、夜までそのままにしていたので、ごそっと丸ごとなくなっていました。
あれもネズミ同士が協力して運んでたのかなぁ?
はじめは何が起きているかわからなかくてミステリーだったのですが、何度か続いてようやく犯人がネズミだということに気が付いたんです。
リンゴと一緒に、鳥の餌(粟)やヒマワリの種も置いてましたから、ネズミさん大喜びだったようです。
野鳥の餌をやってる方は注意してくださいね。夜間は必ずしまった方が良いですよ。
<まとめ>
ネズミは単独ではなくグループで生活しているパターンが多いです。
したがって罠をかけるなら、数匹同時にかかるように罠をたくさんセットした方がよいですよ、協力しあわないように。
ネズミは学習する動物。特にクマネズミは犬並みの知能を持つと言われています。
自分で駆除してもなかなかうまくいかないという方が、ぜひプロのネズミ駆除業者にお願いしてみることをお勧めいいたします!