先日の6月14日の夜、8時間あまり続いた停電がありました。
変電所の充電部にネズミが侵入し、機器に接触したためとみられます。機材の一部が焼損していて、近くでネズミの死骸が見つかったそうです。
原因はネズミ・・・。
今回は、火災にはならなかったようですが、機材が焼けていたというのは本当に怖いことです。
ネズミはげっ歯目、一生伸び続ける歯を持っているため、何かを齧る習性があります。
ネズミも動物ですので、何でも齧るとはいえ齧りにくいものは好きではないようで、歯が立たない金属やツルツルの平面は嫌いなようです。
反対に、手に持ちやすく、あむっと口に入れやすい電源ケーブルやインターネットの回線のケーブルなんか、硬さといい、太さといい、最高に噛みやすい部類なんだろうなと推測します。
ネズミがケーブルをかじると、ケーブル表面を覆っている絶縁体がはがれ、それによって保護されていたケーブル内の導線部分がむき出しになってしまいます。そして、導線がむき出しになったケーブルは漏電を起こし、火花を発生させながらショートしてしまうのです。
天井裏はホコリがかなり積もっている場所ですので、導線のショートで発生した火花がそれらに燃え移り、大きな火事へ発展していく可能性があります。
ネズミによる火災はどのくらいあるの?
ネズミによる火災はどのくらいあるのでしょうか。
東京都内の火災件数が
平成29年度が4205件
平成28年度が3982件
そのうちネズミによる火災は約20件という報告があります。これを多いと取るか、少ないと取るかは人に寄りますが、確実にネズミによる火災が起きているということは確実です。
ねずみは電気コードを齧るだけではなく、糞尿による火災も起きているそうです。
配線やコンセント周辺にほこりが溜まって、そのほこりに引火するトラッキングも起きています。
注意しなくてはならないのは、火元不明の火事も少なからずあって、その中にもネズミが含まれている可能性もあります。
ネズミが関連した火災事例
東京消防庁のサイトに、ネズミが関連した火災事例がありました。
そのいくつかをご紹介します。
シンナーを助燃剤として使用し、炎症拡大して着衣着火した火災
この火災は、駆除したネズミを路上で焼却しようとして引火したものです。
出火原因は、男性(50歳代)がネズミ捕りシートに掛かったネズミをシートごと焼却しようしてシンナーを使用したため出火したものです。
男性はシートがうまく燃えなかったため直接シンナーをかけたところ激しく燃え上がり、その際に着衣に着火しました。男性は顔面に火傷を負っています。
配線がネズミに傷つけられていた
台所内に設置されていた分電盤を確認したところ、配線がネズミに傷つけられ著しく火災危険があったため、同行した電力会社職員により応急処置を実施し、火災危険を排除しました。
ネズミが原因の火災は保険が下りない
火事になっても火災保険に入っているから大丈夫?
いえいえ、ねずみが原因の火災は保険が適応されないんです。
ネズミが原因で発生した火事は免責事項とされている保険が多く、保険金が下りないことも多いのです。
したがって、ねずみの気配を感じたら絶対に絶対に絶対に!退治してください!
ねずみ駆除には手間もかかるし、プロに頼めば費用もかかります。
けれど火災が起きてしまってからでは遅いのです。
お金の話だけではなく、人の命に係わることです。
自分の家の出火が原因で類焼して近所一帯を火の海にしてしまうことだってあり得ます。
ネズミによる火災を防ぐには
ねずみ駆除は、市販の粘着シート罠や殺鼠剤などを使って駆除します。
大切なのは、ねずみを捕まえたあとは、必ずネズミの侵入口を探し出して塞ぐということです。
これをしないと何度でもネズミに入られてしまいます。
そして侵入口は1か所とは限りませんので、侵入口になり得る場所は全部塞ぐ必要があります。
配電周りのネズミ対策グッズ
一応、応急処置としてというか予防的な使い方として、ネズミが嫌いな唐辛子のカプサイシンを含んだテープで配線を巻くという方法もあります。
ねずみが嫌いなカプサイシンを含んだテープというのも販売されています。
怪しい配線に巻き付けておくと安心というものです。
カプサイシンを入れた塗料もあります。
ただし、これらはあくまでも予防的措置ですので、ねずみが今現在そこにいるのに、テープを巻いたり塗料を塗るのはあまり意味がないように思います。
なぜならネズミは執念深い動物だからです。
今まで噛めていた箇所に変なものが巻かれていたら、別の場所を齧るだけです。
あくまでも個人的な感想ですが、唐辛子成分はあまり期待しない方が良いかもしれません。
ねずみは一度確保したルートは執念で挑みます。
写真をご覧ください。
これは屋根の軒下の屋根と屋根の重なり部分で、人目に付かない場所です。
ネズミの通路をパテと金網で塞いだのですが、それでもこじ開けようとしていたので、唐辛子成分が入っているべとべとしたものを塗っておいたのですが、ねずみは諦めず、とうとう通路を確保してしまいました。
結局、こじ開けた場所にスチールウールを突っ込んでそれで解決しました。
ネズミによる火災は駆除以外ない!
結局、ねずみによる火災を避けるには、ねずみを家からいなくするしか手はありません。
とくに電気配電のある天井裏・屋根裏は素人には難しく、手の出しにくい箇所です。
場合によっては天井裏・屋根裏に入って作業しますので。
あるいは、家の外から侵入口を探し出さなければならないことも多いので、屋根に登ることもあります。
素人には難しい作業です。
早いうちにプロのネズミ駆除業者に相談することをお勧めいたします。
ちなみに、相談するだけなら無料ですので、数社に見積もりをしてもらうと良いでしょう。
ねずみ対策は被害が拡大する前に、なるべく早めにした方が良いですよ。